8cmのピンヒール

月を見て綺麗だねと言ったけど あなたしか見えてなかった

想いを言葉にするということ

200字という制限を設けられたら、どうしてこうも書けなくなってしまうんだろう。
言葉を扱うのは、本当に難しい。

 

小学生の時、「コトバノチカラ」という題名で作文を書いた。

 

「もともと、言葉はまっさらなもので、使われないかぎり何色にも染まりません。でも、一度使うと、ひとりひとり違う、ひとりひとりの想いのそった色に染まっていきます。」
「コトバをもつということは、自分が自分らしく、ここに存在できるということにつながるのです」

 

なんでこんなことがいとも簡単に言えたんだろうと本当に思う。
原稿用紙約5枚に、素直に思ったままつらつらと書き綴ったのを覚えている。

 

今の私はもう、いろんなことを考えすぎてしまって、まっさらな気持ちで言葉をかけない。
つまり、小学生の私からすれば、きっと今の私は私らしくないのだ。

 

就活に正解はないっていうけど、じゃあなんでこんなに「これが正解」風に見せてくるのだろうか。

プレエントリーはたくさんしなければいけないのか、自己PRは3種類は用意しておくべきなのか、そんなことは誰が決めたのか。

ロジカルって何なのか。そんなことAIがやる世の中になるんじゃないのか。これから大事になってくるのは、いかに感情を持って働けるかじゃないのか。

 

世の中には、「なんかこれ、ズレてない?」ということが多すぎると思う。
それを感じている人はきっとたくさんいる。
そういうことを上手く言葉にして、気づきと共感を与えて、人を動かす人になりたいと心底思う。
なのに今、そんなわたしがいちばん言葉を書けない。
このもどかしさをどこにぶつければいいかもわからない。

 

いつのまにか、人に見せるための文章を書くことが増えた。
人がどう受け取るか、どういうものが必要とされているか、そんなことばかり考えるようになった。
もちろんそれは大切なことだし、これから先どこかに就職して働くことになれば、自分以外の人に対して自分の言葉がどう伝わるか、ひたすら考えることになるのだろう。
コミュニケーションにおいて、言葉の存在はまだまだ重要である。言葉にしなくても伝わる、なんて、そんなのよっぽどのテレパシーがないと無理だ。大多数の人にはちゃんと言葉にしないと自分の思いを理解してもらえない。

それでも、たまには自分のためだけに文章を書きたいと思うことがある。
書きたいことを好きなだけ書く。
そうすることで、頭の中が整理できるような気がしている。

 

みんなきっと思っているはずだ。
リクルートスーツを着ている自分は自分じゃないって。
だってスーツなんて普段着ないもん。
私服でスーツを着ている人がもしいればごめんなさい。
この状況で、自分らしくあるにはどうすればいいのか、まずそこから考え始めなければいけないのがきっと日本の就活である。

 

自分を強く見せるのは、きっと重要なことだけど、下手なプライドを持って何になるんだろう。何がしたいんだろう。
なんで自分の方が優秀だって見せつけたくなるんだろう。
そんなことを考えているように見られている時点で、それってコミュニケーションに失敗してない?って私は主張したい。

 

東京には賢いひとたちがいっぱいいるけど、だからこそ、本当にかっこよく話すひとが多いなと思った。
そんな姿を見て憧れる面もあれば、少し寂しい気もする。やっぱり私は関西人だなあと思う。
ばかみたいに見えるのかもしれないけど、感情全開で擬音語を使いまくって超絶スピードでまくしたてる関西人がやっぱり私は大好きだ。かっこよくなんて、生きれない。

 

こんなことを、東京で1週間生活していて考えた。
ずっとずっとどうすれば自分が伝わる言葉が書けるのか考えていて、本当に何も書くことが出来なくて、何も考えずに一旦、今の自分の思いを書いて見たらこんなはちゃめちゃなことになってしまった。

 

山手線も東京メトロも、渋谷のスクランブル交差点も、もう全部見慣れてしまった。
表参道での乗り換えに慣れて、千代田線を使いこなせるようになった。
いろんな人とひたすら話していたら、昔悩んでた人見知りなんて本当にどこかに消えてしまった。
もう自分はどこでも生きていけるような気すらする。

 

そして、平日の夜はなんだか寂しいものだなあと思うようになった。
日曜日っていうのは大切な人と過ごすためにあるんだろうと最近よく思う。
平日の夜に1人で考え事をしていると、だいたい気持ちが落ちてくるからよくない。

 

自分らしくいようと思うと、少なくとも周りと違う行動をするわけだから、本当にこれでいいのかなって、これが正解なのかなってわからなくなる。
もう少し自分のことを信じられるようになりたい。
周りから何を言われても、ばかにされても、私はこうやって生きる!ってちゃんと言えるようになれば、もっと見える景色も変わってくるんじゃないだろうか。

 

やっぱりわたしはロジカルとか定量的にとかそういうものが苦手で、こうやって定期的に感情を発散しないと生きていけない。
とりあえずいろいろあるけど、結局今の私は200字で自分を表現しないといけないフェーズに戻らなければならない。

 

みんなが好き勝手いろんなことを言っているけど、信頼できる人の言葉に耳を傾けつつも、ちゃんと自分を信じて、自分らしくあろう。貫くべきところでは自分を貫こう。そのために、言葉をうまく扱っていこう。

そんなことを思った。

「想いを言葉にして、人に伝える。」

生きていく中で、私たちがずっとしてきていること。
それをただ、制限をかけられたなかでうまくやるだけだ。

 

3回生のみなさん、そんな感じで、就活頑張りましょう。
以上、エントリーシートに苦しむはるぴーでした。